Aerodrome

飛躍の1年：Aerodromeが記した2024年のフライトログ

2024年、AerodromeはBaseチェーンでトップDEXとして君臨し、DeFi全体でもその存在感を示しました。その軌跡を振り返り、次なるフライトに向けて出発の準備をしましょう。

きなこ

04 Jan 2025 — 5 min read

Photo by Kenrick Mills on Unsplash

Aerodrome公式Medium記事「Aerodrome: Flight Log 2024」の日本語訳です。

BGMは映画Top Gunより、Danger Zoneをどうぞ。

私たちは、最初の1年を無事に飛び切ることができました。この節目に、Aerodromeのこの12ヶ月間の飛行ルートを振り返ってみましょう。
アイデアを武器に自力でスタートしたプロトコルが、今ではBaseチェーンでトップのDEXとなり、1週間で1000万ドルもの投票報酬を分配するまでに成長しました。

最も「Base」な1年

Baseは、Ethereumの主要なレイヤー2（L2）ソリューションとして注目されています。2024年、Baseエコシステムは飛躍的に成長し、次の10億人のユーザーをオンチェーンへと導くという使命に向けて大きな一歩を踏み出しました。

開発者フレンドリーな設計、堅牢なセキュリティ、スムーズなオンボーディング体験のおかげで、Baseはオンチェーン経済への世界的な移行をリードするL2としての地位を確立しました。1年間で、Base上のアプリケーションへのユーザー預金額は約3億ドルから約40億ドルへと急増しました。

成長のためのローンチパッド

Aerodromeは、Baseのネイティブな取引および流動性ハブとして設計され、Baseエコシステムの急速な拡大において重要な役割を果たしています。革新的なMetaDEXモデルは、高度なDeFi要素と最適化された経済設計を組み合わせることで、流動性提供者、トレーダー、投票者といったすべてのステークホルダーのニーズをバランスよく満たします。このアプローチにより、新しいプロジェクトの参入がスムーズになり、エコシステム全体の成長が加速します。また、ユーザーに信頼性が高く低コストなトークン体験を提供します。

パブリック・グッズ（公共財）として設立されたAerodromeは、外部からの投資に頼らず、プロトコルの活動によって得られる収益だけで貢献者への資金をまかなっています。この独自のアプローチにより、インサイダー優遇やベンチャーキャピタルのしがらみを排除し、生成された価値の100%をエコシステムに還元することが可能になりました。その結果、透明性が高く、クリーンな運営モデルが実現し、それが持続可能な成長を支えています。

流動性を新たな高みへ

2024年、AerodromeはBaseチェーン上でトップDEXとしての地位を確立し、他のすべてのDEXを合計した収益を上回る成果を上げました。また、ETH、BTC、FXペアにおいてもオンチェーン取引量で最高記録を達成しています。Token Terminalによると、現在ではDeFi全体で2位のDEXに成長しました。この成果は、年初の時点では多くのアナリストが予想もしなかったものです。

Aerodromeのこの1年間の成長を具体的に見るために、1月と12月それぞれの時点での2つの重要な指標を比較してみましょう。TVL（総預かり資産）は9600万ドルから15億ドルへと増加しました。また、週次取引量は2240万ドルから63億5000万ドルに急成長しました。

さらに、同期間中に$veAERO保有者への投票報酬は驚異の4687%増加を記録しました。これは、Aerodromeの持続可能な経済設計とステークホルダーへの価値還元に対する揺るぎない姿勢を物語っています。

記録的な1年：成長の新境地

この1年を通じて、Aerodromeは主要な指標で着実な成長を遂げました：

累積取引量：約1170億ドル
投票報酬（手数料＋インセンティブ）：2億4300万ドル
平均年率収益（vAPR）：53.17%

週ごとの$AERO排出量が着実に減少する中でも、全体の手数料、取引量、報酬は増加し続けました。この結果、MetaDEXに懐疑的だった人々の予想を覆すこととなりました。

未来を築く1年：時代を切り拓くローンチ

2024年の1年間、Aerodromeは新しいプロダクトやプログラム、アップデートを次々と発表し、DEXの世界を再定義しました。

Slipstream

今年導入されたSlipstreamは、集中型流動性（Concentrated Liquidity）に独自のアプローチを採用したものです。ティック間隔（価格範囲を設定する際の間隔）を広げることで資本効率を競合より高め、アクティブな流動性提供者に安定した$AERO報酬を提供しました。

Flight School

50M $veAEROを超える投票パワーを活用するFlight Schoolプログラムでは、投票報酬を自動的に$veAEROボーナスに変換し、$AEROロックユーザーに還元しました。

年末までに、4260万$AEROが買い戻されてロックされ、$veAEROとして分配されます。$AEROトークンへの安定的なサポートを提供するとともに、ロックユーザーへの強力なインセンティブを生み出しています。

パブリック・グッズ（公共財）

ローンチ以来、Aerodromeパブリック・グッズ・ファンドはBaseエコシステムの成長を支え、影響力の高い流動性プールの立ち上げを支援してきました。このファンドが投票で得た報酬は定期的に複利運用され、追加の$veAEROを獲得してパブリック・グッズを支援します。今年、ファンドは1600万$AEROを取得し$veAEROとしてロックしました。そのうち840万$veAEROがパブリック・グッズ投票を支援し、760万$veAEROがFlight Schoolプログラムを強化しました。これにより、複利効果とロックユーザーへの報酬をさらに高めました。

AERO Fed

2024年末、AerodromeはAERO Fedを導入しました。これは、新しい$AEROトークンの排出量を動的に調整するための分散型ガバナンス・メカニズムです。マーケット状況に応じてエポックごとに排出量を微増・微減できる仕組みで、インフレ管理や市況変動時の成長促進をコミュニティが柔軟に行えるツールを提供します。

2025年：地平線の向こうへ続く成長

Aerodromeは、革新と拡大の新たなフェーズに向けて準備を進めています。2025年に予定されている主な開発内容をご紹介します。

ALM V2
セキュリティを強化し、報酬システムを効率化した改良版の受動的（パッシブ）な流動性管理です。マーケットの変動が激しい状況でも、動的パラメーターの導入によって、より優れた価格を提供できるよう設計されています。
Slipstream V2
ALMに動的手数料を統合し、スワップの実行を最適化します。初期調査では、手数料収入が最大1.4倍に増加する可能性が示されています。
Relay V2
Superchainの投票機能や、機関投資家向けに最適化された報酬管理をサポートするモジュール型アーキテクチャです。
パートナーシップの拡大
Baseエコシステムとのさらなる統合を進め、より高いシナジーとユーティリティを実現します。

Aerodromeの更なる進化に、どうぞご期待ください！