Base DeFiの新たな幕開け、AerodromeのローンチプランとAEROトークノミクス

AerodromeがBaseでのローンチプランとトークノミクスを発表しました。AEROの排出スケジュールなど、今後のBaseエコシステムを左右する大型プロジェクトの注目ポイントをチェックしましょう。

Base DeFiの新たな幕開け、AerodromeのローンチプランとAEROトークノミクス
Photo by Leio McLaren on Unsplash

Aerodrome公式Medium記事「Aerodrome: Launch & Tokenomics」の日本語訳です。

Aerodrome: Launch & Tokenomics
Fueling Up: Base foundations have been laid. Atmospheric conditions are clear. Begin countdown.

燃料補給は完了しました。出発準備は万端です。気象条件も良好、カウントダウンを開始します。

一度でも空を飛ぶ喜びを知ってしまえば、地上を歩いている間も、いつだって空を見上げてしまうだろう。かつてそこにいたことを忘れられず、もう一度戻りたいと願い続けるからだ。— レオナルド・ダ・ヴィンチ


Aerodrome Financeは間もなくBase上でローンチし、約20のBaseエコシステム・パートナーと連携しながら、エコシステムの中心的な流動性エンジンおよびハブとしての役割を果たしていきます。AerodromeはVelodrome v2の最新技術を採用しており、集中型流動性、自動投票機能、ビルトインveNFTマーケットプレイスなどの革新的な機能の導入が予定されています。

Aerodromeは、Baseチームと密に連携し、エコシステム全体の利益を支える「パブリック・グッズ(公共財)のジェットエンジン」を組み込みました。この仕組みでは、Aerodromeの初期投票権の25%がエコシステムのパブリック・グッズに割り当てられ、重要資産の流動性をサポートします。これらの取引ペアから得られる手数料は、パブリック・グッズの資金提供や投票権の強化に使われます。

さらに、AerodromeはBase上に新たに展開するプロトコルのランディング・ハブとして機能し、迅速かつ効率的に深い流動性を確保できる環境を提供します。プロトコルはveAEROをロックし、投票者に報酬を提供することで、AEROの排出を自分たちのプールに向けることができます。veAERO保有者は、自分が選択したプールからの取引手数料とインセンティブの100%を受け取ります。エコシステム内で最も生産性の高いプレイヤーが報われる仕組みを作り出し、自己強化型の好循環サイクルを形成することで、持続的な成長を促進します。

機体コントロールの最終確認

Aerodromeのローンチパラメータは、初期参加者へのインセンティブを高めつつ、持続可能な長期的成長を実現するよう最適化されています。初期供給量は500M(5億)AEROで、そのうち450M(90%)はveAEROとしてロックされます。

veAEROの配布

初期供給量の40%はveVELO保有者にエアドロップされます。これは、veVELOを保有する熟練のDeFiユーザーとプロトコルが、Baseエコシステムにとっても価値ある存在であると考えているためです。

  • 最低1000 veVELOの保有が必要
  • Velodromeローンチ時にチームや初期パートナーに付与されたveVELOは対象外
  • veVELOアグリゲーター(ユーザーからVELOを預かるプロバイダー)も対象外
  • 現在、約3500のウォレットが対象。
    500M veVELOのうち20%(136M)が除外される見込み
  • スナップショットはまだ実施されておらず、プロトコルのローンチ直前に行われる予定

エコシステム内での重要ペアとパブリック・グッズへの資金提供

プロジェクト紹介の中でも説明したように、AerodromeはBaseの成長を後押しする役割を果たします。そのため、WETH-USDCやcbETH-WETHといった重要な取引ペアに、veAEROの投票権を優先的に割り当てます。これらのペアの手数料は、Baseネットワークの基盤開発を支援するためのパブリック・グッズ・ファンド(PGF)に活用されます。機能開発過程では、徴収された手数料がveNFTの投票パワー維持や、重要ペアへのインセンティブに使われる場合もあります。

チームの報酬

Aerodromeに貢献するメンバーは、2〜4年のベスティング期間を経てveAEROを受け取ります。これにより、プロトコルやエコシステムの長期的な成長を後押しするチームの意欲が高まります。

プロトコルへの助成金

Aerodromeの仕組みを活用してエコシステムにポジティブな影響を与えるプロトコルには、一定期間のveAERO投票権が付与されます。この制度は、エコシステム内のパートナーに長期的な価値をもたらし、新たなプロジェクトの参入を促進するユニークなものです。

AEROプール

veAEROの一部は、AEROトークンのペアに投票するための専用枠として確保されます。Aerodromeが安定した流動性を維持し、エコシステムのサステナビリティ(持続可能性)を高めます。

AEROの配布

  • 投票インセンティブ
    AEROトークンは、エコシステムパートナーによるインセンティブと連動させたり、プロトコルにとって重要な流動性プールへの投票を促すために、戦略的に活用されます。
  • ジェネシス流動性プール
    初期供給量の2%のAEROは、USDCと組み合わせて流動性として提供され、ローンチ時にAEROのスワップをサポートします。

AERO排出スケジュール

AEROの排出は、1エポック(1週間)ごとに1000万AEROから始まり、次の3つのフェーズを順に進んでいきます。

1. テイクオフ
最初の14エポックでは、エポックごとに排出量が3%ずつ増加し、最大で1500万AERO超となります。このフェーズは、エコシステムの成長を促し、Aerodromeが流動性を確保する期間です。

2. クルーズ
エポック15以降は、排出量が1%ずつ減少します。Aerodromeの成熟に伴い、供給インフレが徐々に抑制されます。

3. Aero FED
エポック67(排出量が900万AEROを下回るタイミング)からは、veAEROの保有者がAero FEDシステムを通じて、Aeroの金融政策の管理に関与する仕組みが導入されます。投票者は毎エポックごとに3つの選択肢から投票を行います。

  • 排出量を総供給量の0.01%増加させる(年率0.52%)
  • 排出量を総供給量の0.01%減少させる
  • 現在の排出率を維持する

最大年間排出率は総供給量の52%、最小は0.52%です。

希薄化の影響を抑えるため、veAERO保有者は、排出量とロックされたAEROの供給量に応じて毎週リベース(保有量の自動調整)を受け取ります。このリベースは、次の数式に基づいて計算されます。

リベースの仕組みにより、ロック率が低下した際にveAERO保有者が最も多くの報酬を受け取れるようになります。これにより、新たにAEROをロックするユーザーを増やすインセンティブが生まれます。

離陸準備、完了!

Aerodromeは、Baseエコシステム内の流動性を大幅に拡大し、その成長を後押しする重要な役割を果たします。今後数週間以内に、Aerodromeと同時に始動するパートナーの一覧が公開される予定です。これらのパートナーは、Baseエコシステムの立ち上げを支援するため、流動性の提供、インセンティブの提供、システムの統合などによって協業します。

Aerodromeのローンチに向けてサポートをしてくれたBaseおよびVelodromeのパートナーたちに感謝します。Aerodrome上でのローンチを検討しているプロトコルやプロジェクトがあれば、ぜひご連絡ください。

Aerodrome情報

Webサイト:https://aerodrome.finance/
X(Twitter):https://x.com/AerodromeFi
Medium:https://medium.com/@aerodromefi


あとがき

AerodromeとVelodromeは同じチームによって開発されています。OptimismでVelodromeプロジェクトを展開していたチームがBaseに来た理由は、BaseがSuperchainの一部だからと考えられます。

💡
Superchain(スーパーチェーン)とは

複数のチェーンが共通のブリッジング、分散型ガバナンス、アップグレード、通信レイヤーなどを共有するネットワーク形式の概念で、Optimismが提唱している。

VelodromeチームはOptimism上で培った技術や経験をBaseエコシステムで活かすことができますし、Baseは実績あるチームと共にSuperchainの効率的で統合されたエコシステム構築に邁進できます。Win-Winの関係なんですね。

バブル後に価格が低迷しがちなDEXガバナンストークンについてもよく考えられていそうですし、ローンチが楽しみです。