Arbitrum Orbitとは?Ethereum互換のL3カスタムチェーンを自由に構築しよう
Arbitrum Orbitは、RollupやAnyTrustを基盤に、スループットやガス代、ガバナンスまで柔軟にカスタマイズできる開発者向けソリューションです。

ブロックチェーン上で独自アプリを展開したいなら、Arbitrum Orbitが理想的な選択肢です。
Ethereum互換のRollupやAnyTrustチェーンを自在に構築でき、設計の自由度も高く用意されています。スループットやプライバシー、ガストークン、ガバナンス、プリコンパイル、データ可用性といった要素は、開発者のニーズに応じて柔軟に設計できます。
さらに、OrbitチェーンはArbitrum Nitroの技術スタックや各種ツールにアクセスでき、インタラクティブな不正防止メカニズム、高度な圧縮、そしてArbitrum Stylusとの互換性も備えています。
Orbitとは何か?
Arbitrum Orbitは、Arbitrum Nitro技術スタックを活用して、より高度で柔軟なプロトコルを構築したい人に向けて設計された仕組みです。
Orbit上で構築されるチェーンはRollupまたはAnyTrust Chainとして展開され、必要な基盤インフラをビルダー自身が選択できます。さらに、プライバシー設定やアクセス権限、手数料なども自分たちの方針に沿って設計可能です。
Arbitrum OneやArbitrum NovaがArbitrum DAOによって運営されているのに対し、Orbitチェーンは作成者自身によってガバナンスが決定されます。つまり、運営ルールは完全にビルダーの手に委ねられます。
また、Orbitチェーンは自律的に管理される独立したArbitrum Nitroノードによって稼働し、他のOrbitチェーンとの情報交換を行う仕組みを備えています。Orbitチェーンを立ち上げることで、既存エコシステムの一部となるのです。
なぜArbitrum Orbitチェーンを立ち上げるべきなのか?
Arbitrum Orbitチェーンで構築できるものは無限です。たとえば、スマートコントラクトやアプリケーションのエコシステム全体をホストすることもあれば、特定の1つか2つのアプリケーションに特化することもできます。
ユーザーは、Orbitチェーンを使って中央集権的なサービスを運営し、自分のプロダクトを細かく管理することもできますし、複数のOrbitチェーンを立ち上げて、それらをトラストレスに相互接続させることもできます。つまり、ブロックチェーン上でやりたいことがあれば、Arbitrum Orbitで開発でき、しかもエコシステムのサポートも得られます。
Arbitrumの先進的なツール群を自由に使えるだけでなく、必要な機能だけを選び、不要なものは外すといった柔軟な設計を実現します。主なポイントは以下のとおりです。
- 専用スループット:必要な処理性能を確保し、安定したパフォーマンスを提供。他とリソースを取り合う心配はありません。
- 最新のArbitrumツールとの互換性:Arbitrum StylusやBoLDなど最新技術を活用でき、インフラの信頼性を気にせずイノベーションに集中できます。
- 低く、安定したガス代:OrbitチェーンのトラフィックはArbitrum OneやEthereumに左右されないため、他でオンチェーン活動が増えてもガス代は比較的安定しています。
- ガストークンのカスタマイズ:AnyTrustチェーンを選択すると、任意のERC-20トークンをネイティブガストークンとして使用できます。
- 高いセキュリティ:Arbitrum L2の強固な基盤に依存します。
既に存在するOrbitエコシステムのプロジェクトはOrbitエコシステムポータルで確認できます。
あとがき
Orbitエコシステムポータルを見ると、日本クリプトコミュニティでもよく話題に出るRWA(Real World Assets/現実資産)特化のモジュラー型ブロックチェーン、Plumeも載っていますね。
このArbitrumのL3構想は、Optimism率いるOP Stackを利用したスーパーチェーン構想のライバルとよく表現されます。どちらもEthereumのスケーラビリティ向上を目指しており、技術的なアプローチは異なるものの、「開発者がカスタムブロックチェーンを簡単に構築できるプラットフォームを提供する」という点で競合しています。
ArbitrumのL3(Orbit)構想
- L2(Arbitrum One/Nova)上にL3を構築する階層構造
- アプリケーション特化型チェーンの作成も可能
- Arbitrum独自の技術スタック(Nitro)が基盤
Optimismのスーパーチェーン(OP Stack)構想
- 相互運用可能な複数のL2チェーンのネットワーク
- 標準化されたOP Stackを使用しチェーンを構築
- チェーン間の流動性とユーザー体験の統一を重視
健全な競争は業界の発展を促進するので、両者の今後の成長が楽しみです。