Base、分散化ステージ1に到達:万人に開かれた未来へ

中央集権に依存しないオンチェーン経済構築を目指し、Baseは完全分散化に向けて歩み続けています。

Base、分散化ステージ1に到達:万人に開かれた未来へ
Photo by Natalie Chaney on Unsplash

Base公式Mirror記事「Base has reached Stage 1 Decentralization」を日本語訳しました。


要約:Baseは、ステージ1の分散化(Stage 1 Decentralization)を達成しました。これは、万人に開かれたグローバルなオンチェーン経済の実現に向けた大きな一歩です。今回の達成には、誰でも利用可能なフォールト・プルーフの導入と、セキュリティ・カウンシルによるコントラクトのアップグレード管理プロセスの分散化が含まれています。私たちは、分散化こそがオンチェーン経済の未来に不可欠だと信じており、この節目を迎えられたことを誇りに思います。

Baseにとっての分散化とは

Baseの使命は、イノベーション、創造性、そして自由を広げる、グローバルなオンチェーン経済を築くことです。そしてそれは、分散化された基盤の上でしか実現できないと私たちは考えています。だからこそBaseは、(1) 最も安全で分散化されたL1であるEthereumの上に構築され、(2) オープンな、誰でも使えるOP Stackを採用し、(3) 誰にとっても公平で偏りのない基盤を守る「中立性の原則(Neutrality Principles)」に則っています。

私たちは、Baseの継続的な分散化に取り組んできました。そして本日、ステージ1の分散化(Stage 1 Decentralization)達成を発表できることを嬉しく思います。

ここに到達したことで、Baseはこれまでよりも安全性が高まり、特定の誰かを信頼しなければならない場面が少なくなりました。フォールト・プルーフの導入と、セキュリティ・カウンシルによる管理の分散化により、ネットワークの機能やアップグレードは、より多様なステークホルダーたちによって支えられるようになりました。Base上のアプリや資産、そしてオンチェーン経済全体の基盤は、より堅牢になり、以下のような効果を生み出します。

  1. ビルダーは、基盤となるインフラが突然変わる心配がなく、安心して開発に取り組める
  2. ネットワークに単一障害点がなくなり、全体としてのレジリエンス(回復力)が高まる
  3. 誰もがネットワークの安全性の維持や検証に参加できるようになる

分散化のステージ

Vitalik Buterinが提唱する分散化フレームワークは、BaseのようなEthereum上のL2ロールアップが、安全かつ段階的に分散化を進めるための明確な道筋を示しています。このフレームワークでは、分散化の進捗を以下の3つのステージに分類しています。

  • ステージ0:補助輪付き
    すべてのロールアップ・トランザクションがオンチェーンに記録されるものの、チェーン運営者がそれらの正しさを確かめます。状態の検証は中央集権的に行われることから、その信頼性は運営者に依存します。
  • ステージ1:制限付き補助輪
    この段階では、フォールト・プルーフやバリディティ・プルーフといった検証の仕組みが実際に機能しており、ネットワーク参加者がブロックの状態(ステートルート)に対して異議を申し立て、受け入れるかどうかを判断できるようになります。また、セキュリティ・カウンシルのような多様なステークホルダーによる「分散化された上書き機構」も導入されており、チェーン運営者だけに頼らない、より健全な運営体制が整いつつあります。
  • ステージ2:補助輪なし
    完全な分散化が実現した状態です。明確なバグ対応など、あらかじめ定められた特別なケースを除き、どの関係者グループであっても、コードが自動的に導き出したもの以外のステートルートを書き込んだり、採用したりすることはできません。

ステージ1の分散化に至るまで

Baseがステージ1の分散化に到達するまでには、2つの重要な節目がありました。

1. メインネットでのフォールト・プルーフ導入

2024年10月、BaseはOptimismとの緊密な連携のもと、OP Stackのフォールト・プルーフ・システムをBase Mainnetに導入しました。これにより、次のような機能が実現しました:

  • 誰でも提案できる仕組み(Permissionless proposals)
    Baseの状態に関する主張を、誰でもネットワーク上で提案できるようになり、状態の検証が中央の運営者に依存しなくなりました。
  • 誰でも異議を唱えられる仕組み(Permissionless challenges)
    誤った、あるいは不正な主張が行われた場合、それに対して誰でも異議を申し立てることができます。オープンソースのチャレンジャーソフトウェアを用い、3.5日以内にその主張に異議を申し立てれば、異議が認められた際には経済的な報酬を得ることができます。

これらの導入によって、ユーザーは中央の管理者に頼ることなく、Base(L2)とEthereum(L1)間で自由に資金を移動できるようになりました。Baseの分散化は、ここで大きく進展しました。

2. セキュリティ・カウンシルによるアップグレードの分散化

ステージ1の分散化を達成するための最後の要件は、コントラクトのアップグレード権限をさらに分散化することでした。そのため、今後Baseのコントラクトをアップグレードするには、Ethereumエコシステム内の多様なステークホルダーによる承認が必要になります。

Baseのセキュリティ・カウンシルは、世界各地の法域にまたがる、10の独立組織で構成されています。Baseのアップグレードを実行するには、セキュリティ・カウンシル、Optimism、Baseの三者のうち、少なくとも75%の同意を得なければなりません。この仕組みによって、単独の組織がアップグレードプロセスを支配することは不可能になります。結果として、現在アップグレードの実行を担うBaseやOptimismを含む関係者グループは、より多様で、より分散化された体制へと進化しました。

今後の取り組み

ステージ1の分散化を達成したことは大きな前進ですが、完全な分散化に向けた道のりはまだ続きます。今後、私たちは次のような取り組みに注力していきます:

  • 複数の追加検証システムの導入
    Base上で複数のプルーフ(証明)システムを同時に稼働させることで、さらなるセキュリティと分散化を目指します。現在注目しているのは、ZK技術を活用したフォールト・プルーフです。
  • ステージ2への前進
    完全な分散化を実現する「ステージ2」を見据え、引き続き具体的なステップを踏んでいきます。その一環として、マルチプルーフ・システムを通じてセキュリティ・カウンシルがバグを検出・判断できるようにする仕組みを検討中です。

今回のステージ1達成は、2025年の重要な戦略目標「Baseはすべての人のために(Base is for everyone)」の実現にも繋がるものです。Baseを分散化することで、あらゆる人々がオンチェーンの世界にアクセスできる礎が築かれ、イノベーション、創造性、そして自由が広がる真のグローバル経済が形づくられていきます。

私たちは、これからもBaseとEthereumが掲げる「より開かれ、分散化された、誰もが参加できるグローバルなオンチェーン経済」というビジョンの実現に向けて、歩みを進めていきます。

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Base情報

Webサイト:https://www.base.org/
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