Baseの新DEX、Aerodrome(エアロドローム)の紹介

OptimismのVelodromeチームが提供する、BASEの新しいホーム・エアベースAerodromeを紹介します。

Baseの新DEX、Aerodrome(エアロドローム)の紹介
Photo by Brady Corps on Unsplash

Aerodrome公式Medium記事「Introducing Aerodrome」の日本語訳です。

Introducing Aerodrome
The Superchain is coming, Coinbase’s Base will be its first frontier.

BGMはFoo Fightersの「Learn to Fly」をどうぞ。


AERODROME LOGO

Superchainが始動、CoinbaseのBaseがその最前線に。

Layer 2革命

EthereumのLayer 2(L2)における成長は加速しており、ユーザーや開発者が、低いガス代、高速なトランザクション、そして共有されたセキュリティを活用するためにL2へ移行しています。ここ3か月間で、L2での1日のトランザクション数はEthereumメインネットの2倍を超え、OptimismとArbitrumのTVL(Total Value Locked、総預かり資産)は、Ethereum L1全体のTVLの11%を占めるまでに成長しています。

L2 daily transactions vs. mainnet
L2 daily transactions vs. mainnet, Source: Orbiter
L2 Majors TVL vs. mainnet
L2 Majors TVL vs. mainnet, Source: Delphi Digital

マルチチェーンDEXがL2での展開に苦戦する一方で、OptimismのVelodrome(ヴェロドローム)のようなエコシステム特化型プロトコルは、新興エコシステムの成長エンジンとしての役割を果たしています。

Velodromeは、約2億5000万ドルのTVL(Total Value Locked)と59億ドル以上の累積取引量を誇る、主要なL2 DEX(分散型取引所)です。Optimismの中心的な流動性ハブとして、Velodromeは完全にOptimismエコシステムの成長に専念しており、同エコシステムにおける最大かつ最も活発な経済・ビジネス開発エンジンとなっています。

Optimismに特化することで、Velodromeは他にはない競争優位性を築いてきました。Velodromeのインセンティブは、エコシステム全体と完全に一致しており、活動の大部分を引き付け、エコシステム全体のフライホイール効果を最大化しています。

Baseには、独自のVelodromeが必要です。

Baseで描くOptimisticな未来

Ethereumのスケーラビリティ問題に対する有望な解決策としてL2ネットワークが注目されていますが、ユーザー・エクスペリエンスの分断は大きな課題となっています。異なるL2エコシステム間で取引を行うユーザーは、資金をブリッジし、ウォレットのネットワーク設定を変更する必要があり、これがプロセスを複雑にしし、ユーザーの負担を増やしています。

オンチェーンサービスの大規模な普及を実現するためには、

  • インターオペラビリティ(相互運用性)
  • スケーラビリティ(拡張性)
  • シームレスなユーザー・エクスペリエンス

これら3点が必須です。

そこで、Optimismは「Superchain」というビジョンに取り組んでいます。このSuperchainは、セキュリティ、通信、インフラ開発を共有する複数のLayer 2環境から成るネットワークで、グローバル規模の拡張を目指しています。

Superchainの基盤を成す2つの重要な要素は、OptimismメインネットCoinbase率いるBaseです。BaseはOP Stackを基盤に構築された、セキュアで低コストかつ開発者に優しいEthereum L2であり、Superchainの統一されたエクスペリエンスを支える中核的な技術となります。この技術が発展していく中で、OP Stackを基盤としたチェーンとエコシステムが成長し、繁栄することが重要となります。

OptimismとBaseの両方で、それぞれのエコシステムで必要な流動性を確保し、経済発展を促し、パブリック・グッズ(みんなで共有する価値や仕組み)を支えるためのネイティブなソリューションが求められています。

AERODROME on BASE

そこで、私たちはBaseチームおよびパートナーと共に、新しいイニシアチブ「Aerodrome」の開発とローンチを発表します。Aerodromeは、Baseエコシステムの中核を担うAMM(自動マーケットメーカー)および流動性レイヤーとして機能します。

Velodromeが確立した成功モデルをBase上で展開することで、Aerodromeプロトコルは最新のve(3,3)テクノロジーを採用し、Night Ride UI、集中流動性、そしてダイナミックなAERO FEDといった革新的な機能を提供する予定です。

Velodromeと同様に、AerodromeはBaseエコシステムの「ビジネス開発レイヤー」として機能します。新しいプロジェクトのローンチ支援や次世代プロトコルのオンボーディングを行い、エコシステム全体に流動性をもたらす役割を果たします。

エコシステム基盤を支える取り組み

Aerodromeチームは、Optimismコレクティブによって構築・実現されたパブリック・グッズ(みんなで共有する価値や仕組み)のビジョンに共感しています。このビジョンでは、パブリック・グッズが共同経済の成長を推進する原動力として機能します。Baseは、今後のSuperchainへの統合に先立ち、それ自体が独立したエコシステムです。Baseは独自のニーズ、目標、コミュニティ、ユーザー層、そして開発者層を持ち、ネイティブトークンを持たない環境では、プロトコルが主導してパブリック・グッズを立ち上げ、その循環を維持していくことが不可欠です。

そのために、Aerodromeにはパブリック・グッズのための「ジェットエンジン」が直接組み込まれています。このシステムでは、Aerodromeの初期投票権の25%がエコシステム・グッズのために予約されています。この仕組みは、エコシステムの成功に欠かせない資産の流動性を支えると同時に、これらのペアで得られた手数料をパブリック・グッズ・ファンド(PGF)やパブリック・グッズの投票権に利用することで機能します。

Optimismは、OPトークンを通じて、教育に重点を置いた「Retroactive PGF(パブリック・グッズ・ファンドの後払い分配)」の実験を行ってきました。一方、Baseはアプリケーション開発とユーザー・エクスペリエンスに強く注力しています。そのため、AerodromeはBaseエコシステムと連携し、AEROを活用してPGFをBaseの開発およびユーザー中心の取り組みを支援する方向へと導くシステムを構築します。これにより、エコシステムをさらに拡大し、Aerodromeの成長サイクルを加速させます。

Optimismがパブリック・グッズ・ファンドとしてOPを持つように、BaseにはAEROがあるのです。

Back to Base

Aerodromeは、Base上の流動性とパブリック・グッズのための「ホーム・エアベース」として機能します。エコシステム全体を最大化するプロジェクトとして設計されており、将来的に世界で最も注目されるオンチェーンユーザー・オンボーディング・エンジンに成長する可能性を秘めています。

AerodromeとVelodromeは密接に連携し、それぞれのエコシステムの主要なハブとして機能します。同時に、Superchainの中核を担う2つの最も重要なターミナルを開発し成長させる役割を果たします。

Velodromeモデルの主要な利害関係者として、veVELOロッカー(VELOをロックしたユーザー)には、唯一のコミュニティ向け配分と初期veAERO配分の最大割合が提供されます。この配分はエアドロップを通じて行われ、プレローンチ時にveVELOロッカーのスナップショット(日時は未定)を元に、初期veAEROの40%が分配されます。この仕組みにより、ve(3,3)のメカニズムに精通し、深く関与しているVelodromeのロッカーがAerodromeの成長サイクルをスタートさせる機会を得ることができます。

詳細については、今後共有していきます。


注意:
スナップショットには、Velodromeのローンチ以降、TBAスナップショット日までに個人または非アグリゲーター型プロトコルによって行われた新規のVELOロックのみが含まれます。そのため、Velodromeチームやローンチパートナーに付与されたveVELO残高はエアドロップの対象外となります。同様に、VELOをユーザーから預かり、代理でロックする二次的な$veVELOレイヤーも対象外です。この条件により、約1億4100万veVELO(全体の約20%)が対象外となり、他のロッカーに対する配分の割合が増えると見込みです。

あとがき

「Aerodrome」の意味

Aerodromeは、英語で主に「飛行場」や「航空基地」を意味する言葉です。イギリス英語としてよく知られていますが、現代ではAirport(空港)の方が一般的です。ただし、Aerodromeは今でも歴史的・技術的な文脈で使用されます。

また、ニュアンスとしてAirportより小規模な飛行場や、軍事用の航空施設を指すこともあります。

ちなみにVelodrome(ヴェロドローム)は「自転車競技場」です。

Aerodrome情報

Webサイト:https://aerodrome.finance/
X(Twitter):https://x.com/AerodromeFi
Medium:https://medium.com/@aerodromefi