なぜステーブルコインが重要なのか?
ステーブルコインは、お金をプログラム可能でオープンなものにし、より速く、安く、国境を越えた送金と決済を可能にします。
本記事はNobleによるステーブルコインUSDNとそれに関するポイントプログラムを紹介するものですが、投資助言ではありません。投資にあたっては、ご自身で十分にリスクを評価し、判断してください。
本記事は、2025年11月4日にNoble公式ブログで公開された「Why Stablecoins Matter」の日本語訳です。
送金は、本来ならテキストメッセージを送るのと同じくらい簡単であるべきです。しかしながら、現状の決済インフラは、着金までに数時間から数日かかり、しかも高額な手数料が発生します。
ステーブルコインは、これを10倍改善します。送金がパーミッションレスで、即時に、そして国境を越えて容易に動かせるようになるためです。
本記事では、ステーブルコインがなぜ重要なのか、事業者・海外送金を行う人々・国際取引を行う企業まで、あらゆる人にとって価値がある理由を分かりやすく説明します。
決済の新しいパラダイム
要点をまとめると、ステーブルコインは決済システムを4つの点で大きく改善します。それは「高速」「低コスト」「国境を越えて利用可能」「24時間いつでも使える」という点です。
従来の国際送金システムは、体系的に設計されたというより、必要に応じて継ぎ足しで作られてきました。そのため、国際取引は5つ以上の仲介機関を経由することも多く、そのたびに遅延と手数料が積み重なります。
ステーブルコインは、こうしたレイヤーをすべて1つのオンチェーン取引にまとめます。特に新興国、つまり世界人口の85%が暮らす地域の人々は、搾取的で時代遅れの金融インフラに苦しんでいるため、その恩恵が最も大きくなります。
現在、ステーブルコインはアメリカのマネーサプライの1%超を占めています。2020年時点ではわずか0.04%だったことを考えると、新しくより良いマネーレイヤーがいかに急速に形成されつつあるかが分かります。
より速く、安く、誰にでも使いやすく
ステーブルコインは、従来の決済インフラでは実現できなかった次のような利点を提供します。
1. 速度と利用可能性
国際銀行送金では着金に2〜5営業日かかることがありますが、ステーブルコインの送金は通常1分以内、多くの場合は数秒で完了します。しかも、週末や祝日を含めて24時間いつでも送金できます。
2. コスト
ステーブルコインは、現在ドルを送る最も低コストな手段になりつつあります。たとえば、200ドルの海外送金をステーブルコインで行う場合、手数料は0.01ドル未満(0.005%)です。一方、SWIFTなどの従来の送金ネットワークでは5〜8%(10〜16ドル)の手数料が発生することがあります。

3. プログラマビリティとオープン性
現行の決済システムと違い、ステーブルコインはオープンでプログラム可能なブロックチェーン上で動作します。つまり、誰でもその上にアプリケーションや金融ツールを構築できます。
USDCやUSDTのように、発行者が特定のアドレスを凍結できるパーミッション制のステーブルコインもありますが、それでも従来の決済インフラと比べれば、開発者やユーザーにとって柔軟性とアクセス性が格段に高い仕組みです。
4. 金融アクセスの向上
ステーブルコインは、世界中の人々に対して、安全でオープン、かつインフレに強いお金の使い方と貯め方を提供します。銀行サービスを十分に利用できない人々でも、複雑な仲介機関を経由せずに、国境を越えた送金や受け取りが可能になります。
ステーブルコインのユースケース
個人、企業、そして政府まで、ステーブルコインの活用方法は急速に広がっています。ここでは、現実世界で見られる具体的なユースケースを5つ紹介します。
1. 海外送金と資金移動
5〜8%の手数料を支払い、数日待つ必要があった国際送金も、ステーブルコインなら数分で完了し、コストは1セント程度です。
たとえばPayPalは、国際送金サービスXoomにおいて、自社のステーブルコインであるPYUSDを既に活用しています。特に新興国に暮らす人々は、仲介業者に手数料を削られず、より早く送金できるようになります。
2. 企業の支払い
銀行システムが不安定な国では、SpaceXがStarlinkの売上を現地通貨から直接ステーブルコインへ変換し、即時に自社トレジャリーへ送っています。
また、Scale AIのような企業は、為替手数料や着金遅延を避けるため、契約社員への支払いをステーブルコインで行っています。さらに、JPMorganが発行するJPM Coinは、クライアント間で1日あたり10億ドル超の資金移動に利用されています。
3. Eコマース
StripeやShopifyは、34か国の事業者が、購入手続きの支払い画面でUSDCによる支払いを受け付けています。受け取った資金は、事業者の選択に応じて現地の法定通貨または米ドルで着金します。
Visaも、事業者への支払いを迅速にするためにステーブルコイン決済を提供しています。また、東南アジアの一部では、カフェや小売店が既にUSDCによる支払いに対応しています。
4. インフレーションへの備えと貯蓄
高インフレの国では、ステーブルコインがデジタルなセーフティネットとして機能しています。アルゼンチン、トルコ、ナイジェリアでは、給料を受け取ったらすぐUSDTやUSDCへ交換し、貯蓄を守る人が何百万人もいます。アルゼンチンのクリプト取引の60%以上、トルコでは約半分がステーブルコインです。
さらに、利回り付きステーブルコインであるUSDN(Noble Dollar)のような仕組みによって、ドル裏付け資産の安全性を保ちながら、米国短期国債を通じて約4%の利回りを得ることもできます。
5. 政府
政府によるステーブルコイン活用も始まっています。最近、ワイオミング州は、米国で初めて州として独自のドル裏付けステーブルコインを発行しました。ワイオミング州が発行したFrontier Stable Token(FRNT)は、米ドルおよび米国債などの安全資産で完全に裏付けられた完全準備型ステーブルコインとして、Ethereum、Solana、Avalancheなど複数のブロックチェーンで発行されています。
まとめ
ステーブルコインが重要なのは、お金を、誰もが使えるオープンな形で、プログラム可能かつ、より速く、低コストに扱えるようにするからです。
ステーブルコインは、海外送金の手数料を大幅に引き下げ、企業により柔軟な資金管理をもたらし、分断された銀行ネットワークの時代には実現できなかった新しい金融プロダクトを可能にします。
数日間待たされたり、不必要な手数料を支払ったりすることなく、ユーザーはいつでも、どこでも、誰でも使えるデジタルマネーで、送金・貯蓄・さらには新しい仕組みを生み出せるようになっています。
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